≪Menu
 プロローグ〜出逢い〜

琴子に出逢ったころのオレは、IQ200の天才ともてはやされ、
スポーツもトップで、向かうところに敵などいなかった。


誰もオレの行く手を阻むことはなかったから、イライラすることも
落ち込むこともなかった。
ただ淡々と、学び、語らい、日々は流れていた。



そんなオレの前を、一陣の風が吹きぬけた。


琴子だ。


あいつが、オレの前に手紙を差し出しながら立ちはだかった時、
オレは、ほんの一瞥しただけで、その横を通り過ぎた。


もちろん、手紙など受け取らない。
女に興味などまったくなかったから・・・


振り向くと、琴子は手紙を差し出したポーズのまま
仰向けにひっくり返っていた。


オレは琴子に声をかけた。
もちろん、慰めの言葉なんかじゃない。


「あんた、他にすることないのか?」
それは、二度とオレの前に現れないように、とどめを刺す言葉だった。


・・・のはずだった。


それが、琴子との出逢い・・・





それから三年後、オレは琴子と結婚することになる。
頭は悪いし、料理も出来ない、衝動的で、感情的で・・・


でも、オレが一番オレらしくいられる場所・・・それが琴子。


頭は良くても、さしたる希望も夢も持っていなかったオレに、
未来への道しるべを与えてくれた。
(本人はいまだに気づいてないだろうけど)




そして何より、人を愛することの切なさと喜びを教えてくれた。




―大好きだよ・・・琴子。



ずっと、ずっと一緒にいよう。



Menu