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 光・・・

そこは明るくもなく暗くもなく。
暖かくもなく、寒くもなく。
未来もなく、過去もなく。
”幸せ”を感じることもなく、かといって”不幸せ”でもない。


ただ暗澹たる静寂が果てしなく広がる世界・・・
それが琴子に出会う前のオレの世界・・・


でも今は知っている。


2人でボートを漕いだ日のやけにまぶしく感じた太陽の明るさも。
ずっと先の未来に夢を持つ喜びも。


髪を撫でると香る甘い香り。
繋いだ手のぬくもり。
抱きしめると感じる鼓動。
”幸せ”だと自然に微笑みが浮かぶことも。


暗闇の中に見失った心の行き場のない苦しみも。
手を伸ばしても触れることのできない寂しささえも・・・


守るべきものが出来て失うことが怖くなった。
いつでもそばにいてその手を決して離しはしない・・・


お前はオレの光・・・
お前を知る前の闇に差し込んだ眩しい光・・・
オレを包む暖かな光・・・


それが琴子と出会ってからのオレの世界・・・
”愛される”ことの喜びと”愛する”ことの切なさに満ちた世界・・・



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